上咽頭炎って一体なに?!

こんにちは。はりきゅうルーム岳 代表の大石です。

「のどの奥が常にヒリヒリする」「風邪の引き始めのような違和感が何ヶ月も続いている」といった症状に悩まされていませんか?
実は、病院の検査で「異常なし」と言われがちなこれらの不調の多くに、慢性的な「上咽頭炎(じょういんとうえん)」が隠れています。

今回は、この見落とされやすい疾患について、専門的な視点からそのメカニズムや原因、そして根本的な改善方法までを詳しく解説します。

上咽頭炎とは?

症状の該当箇所のイラスト

上咽頭とは、鼻の穴の突き当たりであり、のど(咽頭)の最上部に位置する器官です。解剖学的には、口を大きく開けても見えない「軟口蓋(口の奥の柔らかい天井)」の裏側にあります。

この上咽頭は、呼吸によって外から侵入してくるウイルスや細菌、ホコリといった異物を感知し、体内への侵入を防ぐ「免疫の最前線(空気のフィルター)」として機能しています。そのため、組織内には「リンパ組織」が非常に豊富に存在しており、常に軽微な免疫反応(炎症)が起きやすい環境にあります。

この上咽頭の粘膜が持続的なストレスに晒され、炎症が慢性化した状態を「慢性上咽頭炎」と呼びます。専門的に最も重要なのは、上咽頭には自律神経(特に副交感神経である迷走神経)が豊富に分布しているという点です。ここに慢性的な炎症が起こると、自律神経を介して全身に脳疲労や自律神経失調症を誘発します。さらに、炎症によって発生した活性化リンパ球や炎症物質(サイトカイン)が血流に乗って全身を巡ることで、腎炎や関節炎、掌蹠膿疱症、さらには慢性疲労症候群(ME/CFS)といった「病巣疾患(免疫変性疾患)」を引き起こす原因になることが分かっています。

主なチェックポイントは以下の通りです。

  • のどの奥や鼻の奥の慢性的な痛み・乾燥感・灼熱感
  • 鼻水がのどに落ちてくる「後鼻漏(こうびろう)」、それに伴う咳払い
  • のどの異物感(ヒステリー球・咽喉頭異常感症)
  • 原因不明の頭痛、首こり・肩こり、めまい
  • 寝ても取れない強い全身倦怠感、脳にモヤがかかる感覚(ブレインフォグ)

上咽頭炎の原因

上咽頭炎が慢性化するプロセスには、局所的な環境因子と全身的な自律神経因子の2つが深く関わっています。

口呼吸による局所的ストレス

本来、人間は鼻呼吸によって空気を加湿・加温し、塵埃を除去して上咽頭へ送ります。しかし、口呼吸の習慣があると、冷たく乾燥した汚れた空気がダイレクトに上咽頭を直撃します。これにより粘膜が激しく乾燥し、繊毛運動(異物を外へ排出する動き)が低下して、慢性的な感染・炎症状態を作り出します。

上流(鼻腔・副鼻腔)のトラブル

アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎(蓄膿症)があると、炎症を含んだ鼻水が常に上咽頭を伝って落ちていきます(後鼻漏)。この持続的な化学的刺激が、上咽頭の粘膜を傷つけ、慢性炎症を固定化させます。

自律神経の乱れと血流障害

精神的ストレス、過労、睡眠不足などが重なると、交感神経が過剰に緊張します。交感神経の緊張は血管を収縮させるため、上咽頭粘膜の微小循環(血流)が著しく悪化します。血流が滞ると、炎症を修復するための栄養や免疫細胞が十分に届かなくなり、結果として炎症がいつまでも治らなくなるのです。

改善方法

  • 施術の写真
  • 施術の写真

上咽頭炎を根本から改善するためには、局所の衛生管理(セルフケア)と、全身の血流・自律神経の調整(専門ケア)を同時に行う必要があります。

生理食塩水による「鼻うがい」

0.9%の生理食塩水(または市販の鼻うがい液)を用い、鼻から入れて口から出す、あるいは反対の鼻から出す洗浄を1日1〜2回行います。これにより、上咽頭にへばりついた粘液や炎症物質、アレルゲンを物理的に洗い流し、粘膜の繊毛運動を正常化させます。

徹底的な保湿と口閉じテープ

室内では加湿器を用いて湿度50〜60%を維持します。また、就寝時の口呼吸を防ぐために「マウステープ(口閉じテープ)」を貼ることは、上咽頭の夜間の乾燥を防ぐ上で最も重要な対策の一つです。

東洋医学(鍼灸)によるアプローチ

耳鼻咽喉科での標準的な治療(EAT/Bスポット療法など)でも症状がすっきりしない、あるいは治療自体が痛くて続けられないという場合、東洋医学的な鍼灸施術が非常に高い効果を発揮します。

当院(はりきゅうルーム岳)では、上咽頭の慢性炎症に対して、局所だけでなく「首・肩まわりの特異的な筋肉の緊張」をミリ単位で緻密に緩める施術を行います。首まわりの緊張が解けると、上咽頭へ繋がる血管の圧迫が解除され、局所の血流が劇的に改善します。さらに、自律神経のバランスを整えることで、体自体が持つ高炎症状態(自己免疫の暴走)を鎮め、粘膜の再生能力を根本から引き上げていきます。

まとめ

上咽頭炎は、単なる「のどの風邪」ではなく、自律神経や全身の免疫システムを揺るがす構造的な疾患です。耳鼻科のカメラで「少し赤い程度」と言われても、本人にとっては耐え難い全身の倦怠感や不調に繋がっているケースが多々あります。

改善への第一歩は、日々の鼻うがいや口呼吸の改善といった徹底した乾燥対策です。そして、それでも変化が出ない慢性的な痛みや後鼻漏、全身の不調に対しては、体の内側から血流と自律神経を立て直す鍼灸施術をぜひ選択肢に入れてみてください。当院は上咽頭炎のケアにおいて多くの臨床実績を持っています。一人で抱え込まずに、どうぞお気軽にご相談ください。

この記事の執筆者

代表 大石 竜也
はりきゅうルーム岳 代表
国家資格:はり師・きゅう師(国家資格)
アスレティックトレーナー(国家資格)
JSメソッド認定鍼灸師
Re Voiceメソッド認定鍼灸師
「耳鼻科のお役立ち情報ブログ執筆中」▶︎note

はりきゅうルーム岳 代表として臨床の最前線に立ちながら、YouTubeチャンネル登録者数50万人超の発信活動も統括。
科学的根拠と臨床経験に基づく独自メソッド「JSメソッド」「Re Voiceメソッド」の認定鍼灸師として、耳鼻科領域の施術に取り組んでいる。

医師監修

黒崎 成男先生
所属学会 資格:
日本精神神経学会専門医・指導医
日本栄養精神医学会 ▶︎Quora
 

上咽頭炎・後鼻漏について詳しくはこちら

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